自分にぴったりのパソコンが欲しい人には、BTOパソコンがおすすめです。BTOパソコンとは、注文を受けてから作る「受注生産」のパソコンのことで、CPUやメモリの容量などを自分の使い方に合わせてカスタマイズできます。そのため、本当に必要な機能だけを選んだ、自分に合ったパソコンが手に入ります。お店で売っている完成品のパソコンでは満足できない場合は、ぜひBTOパソコンを検討してみてください。初心者でも安心して選べるように、わかりやすく説明していきます。
BTOパソコンとは?
BTOは「Build To Order」の略で、注文を受けてから作る「受注生産」のことです。つまり、BTOパソコンとは、自分の希望に合わせてカスタマイズできるパソコンのことを指します。
例えば、「動画編集のために大容量のストレージが欲しい」とか「高性能なCPUで快適に動くパソコンが欲しい」と思っても、店頭で売られているパソコンはあらかじめスペックが決まっているため、理想に合わない部分は我慢するしかありません。
しかしBTOパソコンなら、CPUやメモリ、ストレージなど細かく仕様を選べるので、自分にぴったりのパソコンを手に入れることができます。また、必要ない機能を省いて費用を抑えることもできるため、予算内で性能とコストのバランスを自由に調整できます。結果として、自分の用途や希望にしっかり合った、納得のいくパソコンが手に入るのです。
BTOパソコンのメリット・デメリット
メリット
1. 自分好みにカスタマイズできる
CPU、メモリ、ストレージなど必要なスペックを自由に選べるので、用途に合わせたパソコンが手に入ります。
2. コストパフォーマンスが高い
不要な機能(例:光学ドライブ)を省くことで、無駄な費用を抑えることができます。
必要な部分に予算を集中させ、費用と性能のバランスを最適化できます。
3. 理想的な性能を実現できる
ゲームや動画編集、プログラミングなど、特定の用途に必要な性能を細かく指定できます。
4. 将来の拡張性が高い
自作パソコンに近い構成が多いため、後からパーツを交換・追加して性能をアップグレードしやすいです。
5. 無駄が少ない
市販のパソコンのように余分なソフトウェアが最初から入っていることが少ないため、動作が軽快です。
デメリット
1. 納品までに時間がかかる
注文を受けてから生産するため、市販のパソコンよりも手元に届くまで時間がかかることがあります。
2. 知識が必要な場合がある
スペックの選び方やパーツの理解が求められるため、初心者にとっては難しく感じることがあります。
3. サポートが不十分な場合がある
BTOパソコンを扱うショップによっては、サポート体制が大手メーカーよりも手薄なことがあります。
4. 故障時の対応が複雑になることがある
自分で選んだパーツごとに保証が分かれている場合、修理や交換が手間になることがあります。
5. 市販品より価格が高くなる場合もある
高性能なパーツを選びすぎると、結果的に市販のパソコンよりも価格が高くなることがあります。
知識があまりなくても大丈夫?
BTOパソコンを購入するには、多少のパソコン知識が必要に思えますが、初心者でも安心して購入できます。BTOパソコンの注文方法はメーカーによって異なり、細かくカスタマイズできる場合もあれば、簡単に基本的な部分だけ選べる場合もあります。
例えば、ストレージのメーカーまで細かく指定できるメーカーもあれば、CPUやメモリ、ストレージの容量など大まかな選択だけで済むメーカーもあります。どちらが良いかは人それぞれで、自分のこだわりや知識に合わせてメーカーを選ぶと良いでしょう。
特に大手メーカーのBTOパソコンは、CPUやメモリ、ストレージ容量など基本的な部分を選ぶだけで注文できるため、パソコン初心者にもおすすめです。
パーツ選びなどのポイント
カスタマイズできるパーツは、選ぶパソコンの種類によって異なります。例えば、ノートパソコンにデスクトップ用のCPUを搭載するような無理なカスタマイズはできません。そのため、どのパーツを選んでも、きちんと動作するパソコンが完成します。
また、パーツだけでなく、最初から入っているソフトウェアや保証期間、マウスなどの周辺機器もカスタマイズできます。自分に必要なものだけを選び、不要なものを省くことで、余計な費用を抑えられるのもBTOパソコンの魅力です。
CPUの選び方
パソコンに使われるCPUは、主にインテル社製とAMD社製の2つに分けられます。多くのパソコンにはインテルのCPUが使われていますが、最近では性能の良さやコストパフォーマンスの面からAMDのCPUも選ばれることが増えています。
インテルとAMDのCPUは、名前を見ることでおおよその性能の高さを見分けることができます。
Intel CPU性能高い順 | AMD CPU性能高い順 |
---|---|
Core i9 | Ryzen9 |
Core i7 | Ryzen7 |
Core i5 | Ryzen5 |
Core i3 | Ryzen3 |
Pentium、Celeron | Athlon |
CPUは世代によって性能が変わります。同じ「Core i7」でも、第11世代と第10世代を比べると、第11世代の方が高性能です。ただし、ノートパソコン用のCPUとデスクトップ用のCPUは設計が違うため、単純に世代だけで性能を比べることはできません。
インテルのCPUでは、型番を見ると世代がわかります。例えば、「Core i5-1135G7」の場合は第11世代、「Core i5-10210U」の場合は第10世代と、型番の先頭の数字で確認できます。一方、AMDのCPUでは「Ryzen 5 5500U」が第4世代のように、型番と世代が一致しないことがあるので注意が必要です。
さらに、インテルはCPUのブランド名を変更することを発表しました。これまで「Pentium」や「Celeron」と呼ばれていたCPUはIntel Processorに統一され、「Core i」シリーズはCoreまたはCore Ultraへと名称が変わります。
OSを選びのポイント
Windowsには「Home」と「Pro」という2つのバージョンがあります。Homeは家庭向け、Proは企業向けの機能を備えているため、一般的な使い方しかしないならHomeで十分です。Proはセキュリティや企業用の管理機能が充実していますが、家庭で使うパソコンにはあまり必要ありません。
今パソコンを購入するなら、HomeやProの違いよりも、最新機能がたくさん搭載されているWindows 11を選ぶのがおすすめです。ただし、Windows 10からWindows 11へのアップグレードは無料なので、今はWindows 10搭載のパソコンを購入し、後でタイミングを見てWindows 11にアップグレードすることもできます。
ノートパソコンならディスプレイ選びも重要!
ノートパソコンでは、画面のサイズが同じでも解像度が違うことがあるので注意が必要です。例えば、解像度が1920×1080(フルHD)と1366×768では、画面に表示できる情報量が大きく変わります。特に表計算ソフトでは、表示できる行や列の数に差が出るため、作業のしやすさに影響します。また、動画を再生する場合も、解像度が高いディスプレイのほうが高画質で楽しめます。
そのため、ディスプレイはできるだけ解像度が高いものを選ぶのがおすすめです。ただし、解像度が低いディスプレイはメモリの消費が少なく、バッテリーが長持ちするというメリットもあります。そのため、性能があまり高くないCPUを搭載したノートパソコンでは、あえて低解像度のディスプレイを選ぶのも一つの方法です。
メモリ容量選びのポイント
メモリは、CPUがデータを一時的に保管するための重要なパーツです。メモリの容量が多いほど、ストレージ(HDDやSSD)へのアクセス回数が減るため、パソコンの動作がスムーズになります。
ただし、メモリは高価なため、必要以上に大容量を選んでしまうと予算が大きくなるので注意が必要です。例えば、書類作成やインターネットの閲覧が中心なら、8GBのメモリで十分快適に使えます。
一方、動画編集や3Dグラフィックのように大容量データを扱う場合は、余裕を持たせて16GB以上のメモリを選ぶのがおすすめです。16GBあれば、複数のソフトを同時に開いて作業しても快適に動作します。
ストレージの容量と種類選びのポイント
ストレージにはSSDとHDDの2種類があります。最近では、データの読み書きが速く、パソコンを快適に使えるSSDが主流です。ただし、SSDは大容量になると価格が高いため、動画編集などで大量のデータを扱う人は、SSDとHDDを組み合わせて使うのがおすすめです。例えば、ソフトウェアは高速なSSDにインストールし、データの保存先は容量の大きいHDDにする、といった使い分けが効果的です。これはデスクトップだけでなく、ノートパソコンでも可能です。
さらに、SSDにはM.2とSATAという2つの接続方式があります。M.2は新しい規格で、SATAよりもデータ転送速度が速いのが特徴です。より高速なストレージを求める場合は、SSDの接続方式にも注意しましょう。
もしストレージの容量が足りなくなっても、USB接続の外付けストレージを追加すれば簡単に補うことができます。
光学ドライブは必要か?
光学ドライブとは、DVDやブルーレイディスクを読み書きするためのドライブのことです。しかし、最近では使う機会が減ってきたため、必要ない場合は搭載しないという選択もできます。
光学ドライブがあれば、ビデオの再生やデータの保存ができますが、今では代わりの方法が増えています。例えば、ビデオは動画配信サービスで視聴できますし、データのやり取りはUSBメモリやクラウドストレージを使えば十分です。
特にノートパソコンの場合、光学ドライブを搭載しないことで軽量化につながります。もし後から必要になっても、外付けの光学ドライブを使えば簡単に対応できるので安心です。
通信機能は必要?
ノートパソコンの中には、LTEや5Gといったモバイル通信機能を追加できるものがあります。モバイル通信を使うと、携帯電話の通信網を利用してインターネットに接続できるため、Wi-Fiが使えない場所でもネットが使えるのが大きなメリットです。外出先で頻繁に作業をする人にとって、場所を気にせずインターネットに接続できるので便利です。
ただし、モバイル通信には毎月の通信費用がかかるので注意が必要です。たまにしかモバイル通信を使わない場合は、スマートフォンのテザリング機能を利用するほうがコストを抑えられます。ただし、テザリングは接続に少し手間がかかることがあります。
補償の確認は必須!
BTOメーカーによって保証の内容や期間が異なるため注文する際は必ず確認しておきましょう!
BTOパソコン購入時の注意点
BTOパソコンは自由にカスタマイズできる分、選ぶ項目が多くて大変に感じることもあります。しかし、それこそがBTOの大きな魅力でもあります。自分に合ったパソコンを楽しく選びながら購入するために、いくつかの注意点を解説します。
デスクトップかノートパソコンを決める
BTOパソコンは選べる項目が多いため、どれを選べばいいか迷うこともあるでしょう。まずは用途に合わせて少しずつ選択肢を絞っていくことが大切です。
最初のポイントは、ノートパソコンにするかデスクトップパソコンにするかです。持ち運びの有無や設置スペースの広さを考慮して選びましょう。
• ノートパソコンを選ぶ場合は、持ち運ぶ頻度に応じて機種を絞り込みます。
• デスクトップパソコンを選ぶ場合は、性能を基準にして機種を決めていきます。
このように、少しずつ条件を絞りながら選んでいくことで、自分にぴったりのパソコンに近づけることができます。
必要以上にハイスペックにしない
BTOでパーツを選んでいると、ついハイスペックにしがちです。例えば、「Core i5よりCore i7の方が高性能だから」と考えると、自然と高いスペックになってしまいます。しかし、スペックを上げるほどパソコンの価格も高くなるので注意が必要です。
効率よくスペックを決めるには、まずCPUとメモリを先に選ぶのがおすすめです。この2つは価格に大きく影響するポイントです。CPUとメモリの価格と性能のバランスを決めておくと、その後のパーツ選びがスムーズになります。
通信販売なので到着時期を確認する
BTOパソコンを購入する場合、基本的に通信販売となるため、注文してから手元に届くまで時間がかかります。さらに、BTOパソコンは部品の取り付けやカスタマイズ作業が必要なので、その分の時間もかかります。そのため、購入前に到着時期を確認しておくことが大切です。目安としては、だいたい2~3週間ほどかかることが多いです。
まとめ
BTOパソコンは、自分の使い方に合わせてスペックやパーツを選べるのが最大の魅力です。価格と性能のバランスをしっかり考えながら選ぶことで、理想のパソコンを手に入れましょう。